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草壁シトヒ
ブロガー
普通の会社員でブログ歴は10年以上。

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『ジブリ風』画像をAIで生成するやり方は?最強プロンプト術を完全解説!

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最近、SNSでまるでスタジオジブリの映画のワンシーンのような美しい画像を見かけることが増えました。実はこれらの多くは、AI(人工知能)によって生成されたものです。特にChatGPTの新しいモデル「GPT-4o」の登場により、誰でも手軽に高品質な「ジブリ風」の画像を作れるようになり、世界的なブームとなっています。

私がこの記事を書く目的は、あなたにAIを使ったジブリ風画像の生成方法とその魅力を余すところなくお伝えすることです。この記事を読めば、AIがどのようにしてあの独特な画風を再現しているのかという仕組みから、具体的なツールの使い方、そしてプロ顔負けの画像を生成するための「プロンプト」と呼ばれる指示文のコツまで、すべてを理解できます。

タップできる目次

AIが『ジブリ風』を再現できる仕組み

AIが特定の画風を模倣できる背景には、高度な技術の進化があります。私が思うに、その核心は大きく分けて「基本となる画像生成モデル」と「特定のスタイルを学習させる技術」の2つにあります。

画像生成AIの基本モデル|3つのアプローチ

AIによる画像生成は、主に3つの異なるアプローチによって実現されています。それぞれに特徴があり、ジブリ風アートの生成にも活用されています。

拡散モデル (Diffusion Models)

現在の画像生成AIの主流となっているのが、この拡散モデルです。最初はただのノイズ(砂嵐のような画像)から始まり、徐々にノイズを取り除きながら、最終的に意味のある鮮明な画像へと変化させていきます。まるで彫刻家が石の塊から美しい彫刻を削り出していく作業に似ています。このモデルは、非常に高品質で詳細な画像を生成する能力に長けており、DALL-E 3やStable Diffusionといった有名なAIで採用されています。

敵対的生成ネットワーク (GANs)

GANs(ギャンズ)は、画像を生成する「生成器」と、その画像が本物か偽物かを見破る「識別器」という2つのAIが、互いに競い合いながら学習を進めるユニークなモデルです。生成器は識別器を騙せるようなリアルな画像を生成しようと努力し、識別器はそれを見抜こうと精度を上げていきます。この競争を通じて、生成器は驚くほど高品質な画像を生成する能力を獲得します。特に、ある画像のスタイルを別の画像に適用する「スタイル変換」で高い性能を発揮します。

自己回帰モデル (Autoregressive Models)

このモデルは、文章を単語ごとに予測していくように、画像を部分ごとに順番に生成していく手法です。OpenAIのGPT-4oがこのモデルを活用しており、ユーザーが入力した複雑なテキストの指示を正確に理解し、画像全体の構造を素早く組み立てる能力に優れています。拡散モデルと組み合わせることで、速度と品質を両立させています。

特定の画風を学習させる技術

基本モデルに加えて、特定のアーティストや作品のスタイルをAIに「教え込む」ための専門技術が存在します。これらが「ジブリ風」というニッチな要求に応える鍵となります。

LoRA (Low-Rank Adaptation)

LoRAは、巨大なAIモデル全体を再学習させることなく、特定のスタイルやキャラクターを追加で効率的に学習させるための技術です。少ない計算コストでモデルを微調整できるため、「ジブリ風の画風」といった特定のスタイルに特化したモデルを簡単に作成できます。「Studio Ghibli Style LoRA」というモデルは、まさにこの技術を使い、「ghibli style」というキーワードだけで、あの独特の色彩や線のタッチを再現できるように作られています。

ニューラルスタイル転送 (Neural Style Transfer)

これは、ある画像(例えばあなたのペットの写真)の内容はそのままに、別の画像(例えばジブリ映画の風景画)の画風だけを適用する技術です。コンテンツ画像の特徴とスタイル画像の特徴をAIが抽出し、それらを融合させることで、新しい画像を生成します。筆のタッチや色使いといった要素を模倣するのが得意です。

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おすすめの『ジブリ風』AI画像生成ツール

ジブリ風画像を生成できるツールは数多く存在しますが、ここでは私が特におすすめする代表的なツールを、その特徴とともにご紹介します。静止画から動画まで、目的に合わせて選んでみてください。

主要な画像生成ツールと使い方

手軽に始めたい方から、本格的なクオリティを求める方まで、様々なニーズに応えるツールがあります。

ChatGPT (GPT-4o)

何と言っても最も手軽なのがChatGPTです。ジブリ風にしたい写真をアップロードして「この画像をジブリ風にしてください」とお願いするだけで、驚くほど雰囲気のある画像に変換してくれます。写真がなくても、「夕暮れの教室で勉強する高校生の男女、ジブリ風」のように文章で指示するだけでイラストを生成できます。対話形式で修正を加えられるのが最大の強みです。

Midjourney (Nijiモデル)

より高品質でアーティスティックな画像を追求するなら、Midjourneyが最適です。特に、アニメやイラストスタイルに特化した「Nijiモデル」は、ジブリ風アートの生成において圧倒的なクオリティを誇ります。プロンプトの工夫は必要ですが、細部の描写や色彩の美しさは他の追随を許しません。Discordというチャットアプリ上で操作する、少しプロ向けのツールです。

その他の便利なツール

より手軽に、特定の機能を使いたい場合は、以下のようなアプリやサイトも便利です。多くはワンクリックや簡単な操作でジブリ風加工ができます。

ツール名特徴
MyEdit日本語プロンプトに対応したオンラインツール。操作が分かりやすい。
Fotorジブリ風のフィルターに加え、動画を生成する機能も搭載。
AI Mirrorジブリ以外にも様々な人気アニメ風のフィルターが揃っているスマホアプリ。
YouCam AI Pro人物や動物をリアルなジブリ風イラストに加工するのが得意なアプリ。

動画やアニメーションを生成するツール

静止画だけでなく、動きのあるアニメーションを作成できるツールも登場しています。あなたの写真が、まるで映画のワンシーンのように動き出します。

Filmora

動画編集ソフトのFilmoraには、AIエフェクト機能が搭載されており、写真や動画をジブリ風のアニメーションに変換できます。豊富なテンプレートが用意されているため、初心者でも簡単に魅力的な動画を作成できます。

LensGO

画像だけでなく、動画ファイルそのものをジブリ風に変換できるAIツールです。生成に時間はかかりますが、動画内の人物だけにスタイルを適用するなど、細かい調整ができます。

AnimateMyPic

こちらは無料のオンラインツールで、アップロードした静止画を元に、短いジブリ風のアニメーション動画を生成してくれます。手軽に動きのあるコンテンツを作りたい場合に試してみる価値があります。

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最強の『ジブリ風』画像を作るプロンプト術

AIから理想の画像を引き出す鍵は、何を隠そう「プロンプト」と呼ばれる指示文にあります。私が実践している、よりクオリティの高いジブリ風画像を作るためのプロンプト術を伝授します。

効果的なプロンプトの基本構成

良いプロンプトは、AIに対する具体的で丁寧な「お願い」です。以下の要素を意識することで、AIはあなたの意図をより正確に理解してくれます。

詳細な描写の重要性

「女の子」と指示するだけでは、AIは何を描けばいいか迷ってしまいます。「麦わら帽子をかぶった、そばかすのある10歳の女の子が、夏の入道雲の下でヒマワリ畑に立っている」というように、背景、キャラクターの年齢、服装、髪型、表情、ポーズなどを具体的に記述することが、クオリティを格段に向上させる秘訣です。

ジブリ特有のキーワードの活用

AIに「ジブリらしさ」を伝えるためのキーワードを盛り込みましょう。これにより、AIは学習したデータの中から、より関連性の高いスタイルを適用してくれます。

  • 作品名|「となりのトトロ風」「魔女の宅急便のスタイルで」
  • 監督名|「in the style of Hayao Miyazaki」
  • 色彩|「柔らかなパステル調」「郷愁を誘う色彩」
  • 光の表現|「木漏れ日」「魔法の光」「夕焼けの光が差し込む」
  • 画風|「水彩画風の背景」「繊細な線画」

修正指示によるブラッシュアップ

一度で完璧な画像が出てくることは稀です。ChatGPTのような対話型AIなら、「もう少しキャラクターを笑顔にして」「背景の空をより青くして」といった形で、生成された画像に対して追加の指示を出せます。このやり取りを通じて、理想のイメージに近づけていきましょう。

ネガティブプロンプトで品質を向上させる

時には「描いてほしくないもの」を指定することも重要です。これをネガティブプロンプトと呼びます。不要な要素や、AIが苦手とする表現をあらかじめ排除することで、画像の完成度を高めます。

不要な要素の排除

生成したい画像の世界観に合わないものを指定します。例えば、ファンタジーな風景に現代的なものを描いてほしくない場合、「–no modern buildings, cars, power lines」(建物、車、電線を入れないで)のように指示します。

品質エラーの回避

AIは、人間の手や指の構造、文字などを正確に描くのが苦手です。以下のようなネガティブプロンプトは、不自然な描写を避けるために非常に有効です。

  • 低品質な要素|「–no low quality, blurry, worst quality」(低品質、ぼやけ、最高に悪い品質を避けて)
  • 解剖学的なエラー|「–no deformed hands, extra fingers, ugly」(奇形の手、余分な指、醜さを避けて)
  • その他|「–no watermark, text, signature」(透かし、文字、署名を入れないで)

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ジブリ風AIアートの課題と注意点

手軽に楽しめるジブリ風AIアートですが、その裏には技術的な限界や、法律・倫理に関わるデリケートな問題も存在します。私が思うに、これらの課題を理解した上で、責任を持って楽しむことが非常に重要です。

クオリティの限界|不自然な表現

AIは万能ではありません。生成される画像には、まだいくつかの技術的な課題が残っています。

スタイルの一貫性

同じキャラクターで複数のシーンを生成しようとしても、髪型や服装が微妙に変わってしまうなど、一貫性を保つのが難しい場合があります。物語性のある作品を作る上では、これが大きな障壁となります。

解剖学的な不正確さ

AIが生成する画像で最もよく指摘される問題が、解剖学的な不正確さです。特に、人間の手の指が6本あったり、不自然な方向に曲がっていたりするエラーは頻繁に起こります。これはAIが人体の構造を三次元的に理解しているわけではなく、あくまで学習データにある二次元のパターンを模倣しているために生じます。

法律と倫理の問題

AIアートの流行は、私たちの社会に新たな問いを投げかけています。特に著作権と倫理の問題は、活発な議論の対象となっています。

著作権侵害のリスク

「ジブリ風」の画風そのものは、アイデアとみなされ、日本の著作権法では保護の対象外とされています。しかし、AIが生成したイラストが、既存のジブリ作品の特定のキャラクターや構図に酷似している場合、著作権侵害と判断される可能性があります。AIがどの画像を学習してそのアウトプットを出したのかを証明するのは困難であり、法的なグレーゾーンが依然として存在するのが現状です。

倫理的な懸念とアーティストへの影響

スタジオジブリの宮崎駿監督は、AIが生成したアニメーションに対して「生命への侮辱」と強い不快感を示しました。これは、芸術とは技術的な模倣ではなく、人間の感情や経験から生まれるものだという根源的な問いを投げかけます。多くのアーティストは、自らが長年かけて築き上げた独自のスタイルが、AIによって無断で学習され、安価な模倣品が溢れることで、自らの仕事や創作意欲が脅かされることを懸念しています。

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まとめ

この記事では、AIを使って『ジブリ風』の画像を生成する方法について、その仕組みから具体的なツール、そしてプロ級の作品を生み出すためのプロンプト術まで、私が持つ知識を網羅的に解説しました。拡散モデルやLoRAといった技術が、あの独特の温かみのある世界観を再現する力となっています。ChatGPTやMidjourneyを使えば、誰でも今日からクリエイターになれます。

しかし、その手軽さの裏にある著作権や倫理的な課題から目を背けてはいけません。AIはあくまで強力な「ツール」です。人間の創造性を拡張し、新たな表現を生み出すための素晴らしいパートナーになり得ますが、そのためには技術への深い理解と、アーティストへの敬意、そして責任ある利用が不可欠です。この記事が、あなたがAIアートの世界を健全に楽しむための一助となれば幸いです。

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