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草壁シトヒ
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ジブリ短編『毛虫のボロ』のあらすじ・感想・上映スケジュール

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2013年に長編映画からの引退を宣言した宮崎駿監督が、再び世界に問いかけた作品、それが短編アニメーション『毛虫のボロ』です。私がこの作品に初めて触れたとき、わずか14分という短い時間の中に、生命の根源的な輝きと世界の広大さが凝縮されていることに深く感動しました。

今回は、この特別なジブリ作品の魅力、あらすじ、そしてどこで見られるのかを徹底的に解説します。

ジブリ短編映画 歴代作品のあらすじはこちら

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ジブリ短編『毛虫のボロ』の基本情報

『毛虫のボロ』は、スタジオジブリ制作のオリジナル短編アニメーション映画です。上映時間はわずか14分20秒ですが、宮崎駿監督が長年温めてきた構想が詰まった意欲作として知られています。原作・脚本・監督を宮崎駿監督自身が務め、音楽は長年の盟友である久石譲氏が担当しました。

項目詳細
原題毛虫のボロ
制作スタジオジブリ
形式オリジナル短編アニメーション
上映時間14分20秒
公開日2018年3月21日
原作・脚本・監督宮﨑 駿
音楽久石 譲
声と音タモリ
主な上映場所三鷹の森ジブリ美術館、ジブリパーク

宮崎駿監督、引退撤回後の意欲作

2013年の『風立ちぬ』を最後に長編映画からの引退を宣言した宮崎駿監督でしたが、その創作意欲は衰えることを知りませんでした。引退宣言から約5年後の2018年3月21日、監督として再び世に送り出したのが本作『毛虫のボロ』です。

この作品は、宮崎監督が初めて本格的にCG(コンピュータグラフィックス)を駆使して監督した点でも大きな注目を集めました。長年手描きアニメーションにこだわってきた巨匠が、新たな表現方法に挑戦した、まさに新境地ともいえる作品です。

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『毛虫のボロ』のあらすじ

物語は非常にシンプルです。主人公は、生まれたばかりの毛虫「ボロ」。夜が明ける直前、ボロギクの葉の上で卵からかえったボロは、初めて見る世界に驚きと感動を覚えます。

空気はキラキラとしたゼリーのように見え、朝日はまぶしく、何もかもが新鮮です。ボロは夢中で葉を食べ、仲間たちと出会い、生命の喜びを全身で体感します。しかし、その平和な時間は長くは続きません。恐ろしい狩人蜂(カリウドバチ)が仲間を襲い、自然界の厳しさを目の当たりにします。

物語の終盤、ボロは偶然人間の女の子のスカートにくっついてしまい、家の中へと運ばれます。そこには、ボロにとって巨大な人間たちが住む、全く異なる世界が広がっていました。

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『毛虫のボロ』の感想と見どころ

私が『毛虫のボロ』を鑑賞して感じたのは、生命への圧倒的な肯定感です。短い中に、斬新な映像表現と深いテーマが凝縮された、まさに宝石のような作品です。

毛虫の視点で描かれる斬新な世界

本作の最大の見どころは、徹底的に毛虫の視点から世界を描いている点です。「生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのか」という宮崎監督の純粋な好奇心が、映像として結実しています。

私たちが普段何気なく見ている草むらが、ボロの目には広大なジャングルのように映ります。空気中に漂う粒子や、植物が光合成を行う様子までが、独創的で美しい映像として表現されているのです。この斬新な視覚体験は、観る者に世界の新たな見方を提示してくれます。

自然の美しさと厳しさの対比

物語は、生命の輝きに満ちた美しい世界を描くだけで終わりません。狩人蜂の登場によって、「食うか食われるか」という自然界の冷徹な現実も容赦なく描き出されます。

この美しさと厳しさの対比こそ、宮崎監督が一貫して描き続けてきたテーマです。自然を単なる癒やしの対象としてではなく、生命がせめぎ合う複雑な小宇宙として捉える視点は、私たちに深い思索を促します。

タモリが創り出す唯一無二の音響

本作の音響は非常にユニークです。ボロの声や葉の擦れる音、咀嚼音に至るまで、映画の中で聞こえる音のほとんど全てをタレントのタモリさんが一人で担当しています。

この実験的な試みは、時に観る者を驚かせますが、作品の世界観に不思議なリアリティと温かみを与えています。宮崎監督が「タモリさんなくして、この映画は完成しませんでした」と語るほど、タモリさんの貢献は絶大です。

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ジブリ短編『毛虫のボロ』の上映スケジュールと視聴方法

『毛虫のボロ』は常時公開されているわけではなく、三鷹の森ジブリ美術館とジブリパークの映像展示室で、他の短編作品と入れ替わりで上映されます。

鑑賞できる場所は2ヶ所だけ

この貴重な短編映画を鑑賞できるのは、世界でたった2ヶ所だけです。

  • 三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)|映像展示室「土星座」
  • ジブリパーク(愛知県長久手市)|ジブリの大倉庫内 映像展示室「オリヲン座」

これらの施設以外で上映されることはなく、前述の通り、映像ソフト化やインターネット配信も行われていません。まさに、現地へ足を運んだ人だけが体験できる特別な贈り物なのです。

ジブリ美術館での上映

『毛虫のボロ』は、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室「土星座」で不定期で上映されます。

※ジブリ美術館の上映作品は定期的に入れ替わるため、最新情報は公式サイトを確認してください。

🔗 ジブリ美術館 映像展示室「土星座」の上映スケジュール

ジブリパークでの上映

ジブリパークの「映像展示室オリヲン座」でも期間限定で上映されます。

※ジブリパークの上映作品は定期的に入れ替わるため、最新情報は公式サイトを確認してください。

🔗 ジブリパーク「映像展示室オリヲン座」の上映スケジュール

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まとめ

『毛虫のボロ』は、宮崎駿監督の飽くなき探求心と、生命への深い愛情が結晶化した傑作短編アニメーションです。CGという新たな手法を取り入れながらも、その根底には一貫してジブリ作品らしい温かな眼差しが流れています。

鑑賞できる場所は限られていますが、その労力をかけてでも観る価値のある、特別な映像体験が待っています。機会があればぜひ、この小さな毛虫が私たちに見せてくれる広大な世界に触れてみてください。

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